クリニックでの内診のあと、先生が少し静かに言いました。
「両方の卵巣に嚢腫がありますね。」
頭が真っ白になりました。
大きい方は約7cmのチョコレート嚢腫。
もう片方は4〜5cmほどの皮様嚢腫。
サイズ的にも、手術が必要になる可能性が高いと言われました。
さらに、血液検査では腫瘍マーカーの値が高めとのこと。
妊活よりも、まずは詳しい検査を優先しましょうと。
妊娠できない直接の原因ではないけれど、
妊娠したときのリスクになる可能性がある——
その言葉が、今も強く心に残っています。
妊娠の前に、手術。
しかも「腫瘍」という言葉。
怖くて、怖くてたまりませんでした。
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MRI検査までの不安
MRIを勧められ、検査日までの期間は検索ばかりしていました。
「卵巣嚢腫 手術」
「チョコレート嚢腫 妊娠できる」
「腫瘍マーカー 高い」
悪い想像ばかりしてしまい、
夜になると不安が大きくなりました。
夫にも伝えましたが、
「大丈夫だよ」と言いながらも、きっと同じくらい不安だったと思います。
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妊活が、いきなり足踏み
手術日は、最初の診断から約半年後になりました。
やっと「妊活を頑張ろう」と決意して通院を始めた矢先。
まさかの足止め。
焦りもありました。
年齢のこと、AMHのこと、卵巣へのダメージ。
手術で卵巣機能が下がる可能性があるとも説明されました。
実際、術前はAMHが5ほどあったのが、術後は4前後に下がりました。
数字として見たとき、やはりショックはありました。
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妊娠を考えた「少し甘め」の手術
手術は腹腔鏡による全身麻酔でした。
結果は良性。
そして、完全に取り切るという方法はとりませんでした。
これから妊活をすることを考え、
良い卵巣組織まで取りすぎないように——
クリニックからもその希望を伝えていただき、
「少し甘めに取る」方針になりました。
将来の妊娠の可能性を残す選択でした。
正解だったかはわかりません。
でも、あのときの私は
「妊娠できる体を守りたい」
その一心でした。
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手術後のリアルな感覚
気づいたら手術は終わっていました。
でも、そこからがつらかった。
意識が戻っても体は動かせない。
酸素マスクが苦しい。
微熱が続く。
お腹は筋肉痛のように痛い。
何をするにも、お腹に力が入る。
日常生活は、こんなにも腹筋を使っていたのかと実感しました。
歩くのも、起き上がるのも、一苦労。
怖さとは別の「現実的な痛み」がそこにはありました。
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でも、この経験は無駄ではなかった
少し不思議ですが——
この腹腔鏡手術の経験は、後の帝王切開のときに活きました。
お腹を切るということ。
動きにくさ。
回復までの感覚。
「あ、この感じ知ってる」と思えたことで、
出産後はそこまで不安にならずに済みました。
もちろん、できれば経験したくなかった出来事です。
でも今振り返ると、
あの手術は私の妊活の大きな転機であり、
体と本気で向き合うきっかけでもありました。
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妊娠の前に、まず自分の体を守る
妊活を始めるつもりが、
思いがけず手術からのスタートになりました。
遠回りに感じました。
でもあのとき、
「妊娠できるか」よりも先に
「安全に妊娠できる体か」を考える時間をもらえたのかもしれません。
怖かった。
不安だった。
足踏みしたように感じた半年間。
それでも、この経験は確実に
次のステップへとつながっていました。
手術の詳細はこちらの記事で詳しく記載しています。

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