初診の日、知らない世界に足を踏み入れた。

クリニックに入った瞬間、

少しだけ空気が違うと感じました。

静かで落ち着いているけれど、

どこか緊張感がある空間。

モニターには、

治療方法やステップアップの説明、

妊娠率、施術の選択肢がスライドで流れていました。

タイミング法。

人工授精。

体外受精。

聞いたことはあるけれど、

自分とは関係ない世界の話だと思っていた言葉。

その世界の中に、自分がいる。

本当に来てしまったんだ。

知らない世界に足を踏み入れたような、

ドキドキした感覚でした。

想像よりも寄り添ってくれた

診察はまず内診から。

そのあと、治療方針を話し合う流れでした。

クリニックはとても夫婦の意向を大切にしていて、

すぐにステップアップを勧めることはないこと。

希望があればステップアップもできるし、

逆に気持ちが追いつかなければステップダウンもできること。

状態を見た上で、提案はしっかりしてくれる。

でも決めるのは私たち。

その姿勢に、少し安心しました。

内診台の衝撃

でも正直に言うと、

一番衝撃だったのは内診台でした。

カーテン越しで先生の顔は見えない。

慣れない体勢。

初めての内診。

少し痛みもあって、

「何これ……?」

と、頭の中が混乱していました。

これが不妊治療のスタートなんだ。

そう思った瞬間でした。

予想外の展開

そして治療の話に進むのかと思いきや、

「卵巣に腫瘍が見られます」

と言われました。

サイズ的に、妊娠した場合リスクになる可能性がある。

MRIを撮ってきてください、と。

頭が真っ白になりました。

治療をどうするか、という話ではなく、

まさかの腫瘍。

良性か悪性かは現時点では断定できない。

その言葉に、ものすごい不安が押し寄せました。

結果的に腫瘍は良性でしたが、

あのときの不安は今でもはっきり覚えています。

不妊治療を始めるはずの日が、

思いがけず、別の現実を突きつけられた日になりました。

夫もまた、初体験

そして夫もまた、

初診でいきなり精子検査。

別室での採精にかなり驚いたらしく、

「心の準備が追いつかなかった…」

と後日笑って話していました。

当時はお互いいっぱいいっぱいでしたが、

今では少し笑える思い出です!

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